都会と田舎の二地域暮らしのバランス ~ Dual Life Balance ~ ~ 田舎の治癒力を都会のビジネスパーソンへ ~

成瀬 訓久(なりせ くにひさ) 平日は「東京で都会暮らし」、週末は「千葉の内房(鋸南町)で田舎暮らし」の週末田舎暮らし(二地域居住)をして15年。 田舎には「都会の人を癒す治癒力がある」と思います。 「都会での経済・効率優先の生活」と「田舎での原始・人間的な生活」のバランス(Dual Life Balance)を模索・追究しています。 私の試行錯誤な実践知見情報が、週末田舎暮らし(二地域居住)を検討する"忙しいビジネスパーソン"にとって役立つなら幸いです。

週末田舎暮らしにおける「小屋」の可能性

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【写真出所:シラハマ校舎のWebページ】

 

GW(ゴールデンウィーク)休み期間中、新発売の「無印良品の小屋」を見学してきましたので、以下レポートします。

 

併せて、週末田舎暮らしにおける「小屋」の可能性について、考えてみたいと思います。

 

「少負担(少ないお金・少ない手間)」での「週末田舎暮らし(二地域居住)」を検討するビジネスパーソンにとっての参考情報になれば幸いです。

 

私の今年のGW休みを一言で表すと、、、それは「全身筋肉痛」です。

 

なぜなら、ひたすら、週末田舎の家(千葉内房鋸南町)の裏山の雑木林を伐採していたからです。

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 例年ですと、GWなどの大型連休時は、週末田舎の家を拠点に、「1.小旅行に出かけたり」「2.レストラン・カフェ巡り」など外出します。

※ちなみに、「大型連休時の田舎暮らし」については、以前、下記を記しています。。。

narise.hatenablog.com

 

 しかし今年は、4/30(日)~5/3(水)までの4日間、昼の大半の時間を、裏山を開墾する為の野良作業に充てました。

 

「刈払機で草を刈り」 > 「チェーンソーで木を伐り」 > 「切った草木を庭内の焼却エリアへ運搬し」 > 「燃やす」という一連の作業です。

 

なぜ、そこまでして、裏山の整備に注力しているかというと、それは整地した土地に、先々「小屋」を建てたいと妄想しているからです。

 

母屋から少し離れた処に、「寝泊り可能なミニ書斎」を設けたいのです。
週末田舎暮らしを簡易体験したい人が気軽に使える「ゲストルーム」としての用途も考えられます。

 

実現は先の話しになるとしても、土地の整地など、自力で出来る範囲は早めに進めておきたいのです。

 

更に、上記の野良作業と併行して、建物となる「小屋」を見学してきました。
無印良品の小屋」が発売となり、GW期間中に、南房総で見学会が開催されたのです。

 

以下では、見学した「無印良品の小屋」の商品概要を共有しつつ、「週末田舎暮らしにおける『小屋』の可能性」について考えてみたいと思います。

 

 1.「無印良品の小屋」の商品概要

(1)コンセプト

「平日は都会でルーティーンな”忙しい”生活を送る一方、休日は田舎で自然に触れた”ゆったり”生活を送る」。昨今そのような機運が高まる中、無印良品は、「ミニマム」でありながらも「豊かな」時間を過ごす為の小屋を開発しました。

週末に家庭菜園やガーデニングを楽しみたいという都市部の住民を主なターゲットとしています。

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【出典:日経MJ_2017年4月28日_P5】

(※無印良品の小屋のWebサイトは、こちら

 

(2) 建物

 ・広さ : 9㎡(2.7坪)
 ・外壁 : 焼き杉板
 ・内壁 : ひのき材単板
 ・床  : モルタル仕上げ

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(3)建物の購入価格

 ・小屋 : 300万円(税込)
 ・オプション : 各種2.3万円~36.2万円(スイッチ・コンセント・網戸・断熱・防犯etc)

 

(4)土地&共用施設

 ・場所 : シラハマ校舎
 (南房総市白浜町の廃校をリノベーションした「小屋」「レストラン」「キッチン」「シャワールーム」「コワーキングスペース」「シェアオフィス」「宿泊」の多目的施設)

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【出典:田舎暮らしの本_2017年5月号_P101】

(※シラハマ校舎のWebサイトは、こちら) 

 

 ・1区画の広さ : 80㎡(24坪)

  専有区画内で家庭菜園するイメージはこんな感じか???

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  今後、校庭に約20区画が整備され、小屋が建ち並ぶ予定です。

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  こちらは、区画&小屋の配置模型です。

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 ・使用料

  - 管理費(月額): 1.5万円(税込)/月~
   (※区画の専有土地、シラハマ校舎のトイレ・シャワー・共同キッチン等の使用料、小屋での電気代etc)

  - 施設整備費(初期費用): 50万円(税込)
   (※建築確認申請、分電盤、生垣、電気、給水施設、その他共用施設の整備・メンテナンス費用etc)

 

 

2.見学から推察する「無印良品の小屋の開発変遷」

(1)プロトタイプ

無印良品の小屋は、2015年7月にプレス発表(こちら)され、同年11月に、プロトタイプがお披露目されました。

下記は、六本木の会場で見学した際(2015年11月1日)の写真です。

水回りも配備され、小屋単体で生活完結出来る仕様となっていました。

【プロトタイプ_ケース1】

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【プロトタイプ_ケース2】

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【キッチン】

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【風呂】

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【トイレ】

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(2)今回発売された小屋の内部

上記のプロトタイプと比較すると、何も無い、小さなシンプルな箱といった印象です。

設備・装飾・機能を最小限まで削ぎ落とした「潔さ」を感じました。

そして、この事は、小屋の役割を、「小屋単体で生活機能を満たす」という方向から、「小屋+共用施設インフラの組合せで生活機能を満たす」という方向に舵を切った事の証左だと考えます。 

それ故、多目的施設とのコラボ販売に至ったと推察します。
(※公表記事を読む限り、全国の廃校活用とのコラボも検討していくようです。)

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 【写真出所:シラハマ校舎のWebページ】

 

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写真出所:シラハマ校舎のWebページ】 

 

 

3.小屋と一軒家との「お金」に関する比較(※私の実例から)

週末田舎暮らし(二地域居住)を実現するに当たり、資源配分(お金・時間)が重要ですが、ここでは、週末田舎拠点に関する住居費用について、「小屋」と「一軒家(私の実例)」で比較してみます。

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※ちなみに、「お金」については、以前、下記を記しています。。。

narise.hatenablog.com

 

 

4.小屋と一軒家の定性比較(※私の主観から)

 小屋と一軒家、双方にメリット・デメリットはありますが、私の主観として、下記整理します。

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5.結論と提言

「お金や手間の負担を少なく」週末田舎暮らし(二地域居住)を始めたい人にとって、「小屋+多目的施設」のセットは、有用な選択肢の1つになりうるでしょう。

 

例えば、起業する際、事務所を借りずに、コワーキングスペースやシェアオフィスで事業開始するのが現代主流になったのと同様に、週末田舎暮らし(二地域居住)においても、「一軒家」を買うのでは無く、まずは「小屋+多目的施設」で、負担少なく、週末田舎暮らしを始動するのが主流となる時代が来るかもしれません。

 

ただ、上記の定性比較の通り、小屋が一軒家に劣る項目がある事も事実。

また、小屋で週末田舎暮らし(二地域居住)を体感していく中で、”より広く””より自由な”「一軒家」を欲する気持ちが湧き上がるかもしれません。

 

その為に、ポスト小屋生活(小屋生活の後)を見据えて、供給側が小屋生活の「出口」を配備出来たら良いと思います。

例えば、小屋の販売方式を(新車と同じように)残価設定販売することで、分割ローン支払い拘束期間を短縮化すると共に、支払い期間終了時に「残価で買い取るか」「返却するか」を選択出来る案です。

そうすれば、小屋の購入検討者は、将来の選択コスト(a.一軒家へ移る、b.小屋を続ける、c.週末田舎暮らし自体を止める)を想定する事が可能となり、安心して購入意思決定出来ると思うのです。。。

 

 

以上、新発売の「無印良品の小屋」を見学して、週末田舎暮らしにおける「小屋」の可能性を考えてみました。。。

 

「少負担(少ないお金・少ない手間)」での週末田舎暮らし(二地域居住)を検討するビジネスパーソンにとっての参考情報になれば幸いです。