都会と田舎の二地域暮らしのバランス ~ Dual Life Balance ~ ~ 田舎の治癒力を都会のビジネスパーソンへ ~

成瀬 訓久(なりせ くにひさ) 平日は「東京で都会暮らし」、週末は「千葉の内房(鋸南町)で田舎暮らし」の週末田舎暮らし(二地域居住)をして15年。 田舎には「都会の人を癒す治癒力がある」と思います。 「都会での経済・効率優先の生活」と「田舎での原始・人間的な生活」のバランス(Dual Life Balance)を模索・追究しています。 私の試行錯誤な実践知見情報が、週末田舎暮らし(二地域居住)を検討する"忙しいビジネスパーソン"にとって役立つなら幸いです。

「週末田舎暮らし」と「疲労の軽減」

9月も終わり。過ごしやすい季節になりました。

週末田舎の拠点である千葉内房鋸南町保田は、夏の海水浴、そして秋の稲刈りや祭礼を終え、いつもの静かで長閑(のどか)な町に戻っています。

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さて、前回(8/27)の記事で、「(月3回の)週末田舎暮らし」 ⇒ 「(月1回の)月末田舎暮らし」への生活変化を記しました。(※記事はこちら

 

月1回の「月末田舎暮らし」へ移行した後、3か月を経過し、身体で感じる変化があります。

 

それは、、、「疲れ」やすくなった感じがするのです。

顕著な変化例としては、平日夜、帰宅後に、TVニュースを見ながら、いつの間にか寝入っている事が増えました。

かっては、平日夜の週2回程、スポーツジムに通っていました。読書もしていました。しかしながら、最近は、夕食を済ませたら、TVの前で寝ている事が多くなったのです。

 

「都会仕事」への時間投入増の為に、「都会生活」の時間を増やすべく、週末田舎暮らしを”月3回” ⇒ ”月1回”へ減らした訳ですが、カラダのコンディション的には「逆効果」だったかもと思い始めています。

 

そこで、「疲労」の権威である梶本修身氏の本「なぜ、あなたの疲れはとれないのか?」を読み、「週末田舎暮らし」と「疲労の軽減」の間の因果有無を考えてみました。下記6点の因果がありそうです。

 

「週末田舎暮らし」に興味あるも、日々の都会仕事や都会生活で心身共に疲労しているビジネスパーソンにとっての参考情報になれば幸いです。

 

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0.疲労とは

「疲労」というと、私は「からだ」や「心」の「疲れ」と思っていましたが、本書では『すべての疲労は脳が原因』と前提しています。

最新の疲労研究では、「疲労」とは「からだの疲労」では無く「脳の疲労」、なかでも「自律神経中枢の疲労」である事が判明しています。

筋肉や内臓への負担が疲労を起こしているのでは無く、自律神経への負担が疲労を起こしているのです。

自律神経はニ種類の神経で成り立っているのですが、一つが交感神経、もう一つが副交感神経と呼ばれるものです。

一つめの交換神経は、別名「闘争神経」とも呼ばれ、心身が活動的なとき、緊張や興奮、ストレスがあるときなどに働きます。

もう一つの副交感神経はリラックスモードで働きます。

交感神経優位な状態が、自律神経中枢の細胞、すなわち脳を疲労させるになるのです。逆を言えば、交感神経が支配する時間を減らし、副交感神経が優位となり状態を多くすれば、日常の疲労を減らすことが出来るのです。

 

 

1.ホームとアウェイ

ホームとは「自宅」、それ以外は「アウェイ」と定義しています。

何の気兼ねなく自由にくつろげる自宅(ホーム)では、副交感神経が優位となり、自宅の外(アウェイ)では、交感神経が優位になるそうです。

通勤電車やオフィスが「アウェイ」なのは分かりますが、初めての場所に出向く旅行が「超アウェイ」で「脳を疲れさせる」事実は驚きです。

上記から判断するに、週末田舎暮らし用に定期的に通う「第二の自宅」は「ホーム」が増える事を意味します。副交感神経の優位時間が増え、疲労減少に繋がっていると思われます。

 

 

2.他人との物理的な距離

研究の結果、ネズミを飼育用の容器に2匹入れると、一日で胃潰瘍を患うそうです。

これは人も同じで、人間と人間との物理的な距離が近いとストレスになり、交感神経が優位となり「人疲れ」を生みます。

都会では、家は狭いし、街には人が多いです。疲労回復には、自分一人になれる空間が必要との事。

週末田舎の家は広く、近隣周囲には家が無い事から、「人疲れ」するリスクを回避出来ているのでしょう。

 

 

3.オレンジ色

晴れた日の夕方の空には、オレンジ色の夕焼けが現れますが、これが疲労と関係しているそうです。

昔から、人間の脳はオレンジ色の光を浴びると、副交感神経が優位になり、「もうすぐ日が落ちるから眠ろう」と夜の睡眠の用意を始め、リラックスするとの事。

私は、週末を田舎で過ごす際、夕方の浜辺散歩が日課です。この習慣が、副交感神経優位な時間を増やし、疲労を減らしていると考えられます。

 

 

4.マンションと一戸建て

 「マンション」と「木造の一戸建て」を比較すると、「木造一戸建て」の方が疲れにくいそうです。「木造一戸建て」は、「ゆらぎ」を生み出しやすい事が理由です。

「ゆらぎ」のある空間とは、外部の自然変化をゆったり反映した環境であり、「木造一戸建て」は、「コンクリートのマンション」よりも優れています。

「木造一戸建て」は、風通しがよく、その風も絶えず変化して住む人に心地よさを感じさせます。結果、リラックスモードの副交感神経が優位になり、疲労回復が促されるそうです。

私は、都会では「マンション」暮らしですが、田舎では「木造一戸建ての平屋」に住んでいます。故に、田舎の木造家が私の疲労低減に貢献していると類推出来ます。

  

 

5.香り

抗疲労効果が科学的に認められている香りは、1つしか無いそうです。それは「新緑の香り」で、正式名は「青葉アルデヒドと青葉アルコール」と呼びます。「芝生をこすった時の若葉の匂い」がイメージです。

この「新緑の香り」。自宅で楽しんでも、「一定」の疲労回復効果があります。

しかしながら、疲労回復効果を最大に享受するには、本物の森に行って、その中で森の香りをかぐのがベストとの事です。目の前に木々の緑が広がり、聴覚的には小鳥のさえずりが聞こえ、木漏れ日や微風(そよかぜ)等を、五感で感じながら「新緑の香り」をかぐ事で、副交感神経が優位になり、疲労回復に繋がります。

週末の田舎暮らしでは、緑の香りがするのはもちろん、草刈り作業では、かなりの「緑の香り」を感じる事が出来ます。知らぬ間に、疲労に効いているのでしょう。

  

 

6.遠くを眺める

通勤時はスマホ、オフィスではパソコンに向き合う生活をしていたら、目が疲れるのは当然です。

本来、脳がリラックスするのは、近くを見ていて安心できる時だそうです。副交感神経が優位な状態です。

ところが、近年、スマホやパソコンの画面を近くで緊張して見るようになりました。交感神経が優位です。

人間のメカニズムに反する上記の矛盾行動が、眼精疲労を誘発するとの事。

目の疲労を改善するには、自然に遠くを「眺める」のが良いそうです。散歩しながら遠くの景色をボーっと眺めるのがポイントのようです。

週末の田舎暮らしでは、里山を眺めたり、海の水平線に目をやったりする機会が多々あります。目疲れ低減の一役になっていると思われます。

 

 

以上。「週末田舎暮らし」と「疲労の軽減」でした。

 

今後は、活動量計で日々蓄積しているデータを、都会と田舎での各活動時で比較し、科学的に「疲れ具合」を把握してみたいと考えています。

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「週末田舎暮らし」に興味あるも、日々の都会仕事や都会生活で心身共に疲労しているビジネスパーソンにとっての参考情報になれば幸いです。